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GPT時代の企業革新―AIと共に挑む企業活動のパラダイムシフト―

GPT時代の企業革新―AIと共に挑む企業活動のパラダイムシフト―

  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 発売日:2025年5月27日
  • 価 格:2,200円(税込)
  • ISBN-10:4478120242
  • ISBN-13:978-4478120248

私たちは今、ChatGPTが引き起こした「現代版産業革命」と呼ぶべき変化の只中にいます。GPT(Generative Pre-trained Transformer)の進化は、単なる業務効率化の枠を超え、企業の構造、働き方、意思決定の在り方そのものを根底から変えようとしています。このGPT時代に企業変革を成し遂げた企業は、人間だけでは成しえない圧倒的な競争力で既存の産業をディスラプトしていくでしょう。

本書は、GPTの技術的本質とそのインパクトを読み解きながら、「人間とAIの共進化」を前提とした未来の企業像と変革の具体的な道筋を提示する一冊です。経営層から現場リーダー、AI戦略担当者まで、GPT時代の企業変革に本気で向き合うすべてのビジネスパーソンに向けた実践知が詰まっています。

 

特長

  • GPTの本質と技術革新をやさしく体系的に解説
    生成AIに関する基礎から応用、社会的・組織的インパクトまで幅広くカバー。
  • 「デジタルエンタープライズ」という次世代企業モデルを提唱
    人間とAIが協働する新しい企業構造とその設計要素を整理。
  • 富士通・日産自動車のAIに関する実践視点や野中郁次郎氏の哲学的寄稿も収録
    現場と理論の両輪で、人間とAIが協働する可能性を浮き彫りに。
  • 豊富なユースケースと導入ステップの紹介でAI実装イメージの構築を支援
    各バリューチェーンにおけるAIの適用可能性を網羅した付録付き。

 

推奨読者

  • 企業の経営者・役員・部門責任者
  • AI/DXの戦略推進担当者・IT部門責任者
  • 組織・人材変革に携わる企画部門・人事部門
  • GPTや生成AIをビジネスに応用したい実務家・研究者

 

目次

第1章 技術発展と社会・ビジネスの変革

ChatGPTの登場は、AI技術の枠を超えて社会そのものに衝撃を与えました。本章では、技術進展が人間社会や企業活動に与えるインパクトを解説しつつ、従来型AIの限界をGPTがいかにして打ち破ったか、そしてGPTが企業の競争力や社会構造をどのように変えていくのかを読み解きます。AI活用の本質と、これからの変革における「意識のアップデート」の必要性についても言及します。

第2章 GPTによる技術革新

本章では、GPTの技術的な核心に迫ります。自然言語処理をはじめとした処理能力、マルチモーダルな機能、そしてプロンプトからコードを生成する能力など、GPTが備える高度な知的能力を整理します。そのうえで、汎用モデルが引き起こす産業構造の再定義の必要性と、AIが進化を続ける中で社会に何が求められるのかを提示します。


第3章 AIが業務、そして人間の役割を変える

AIはツールから同僚・上司・アドバイザーのような存在へと変わり始めています。本章では、GPTが組織に導入された際に、業務プロセスやチーム構成、役割分担がどのように変容するかを具体的に描きます。また、「報連相を担うAI」、「意思決定を支えるAI」、そして「人間とAIの共創によるチーム」の姿を示しながら、未来の職場像を提示します。

 

第4章 人間は何を担うのか

GPTの進化により、知的労働の一部がAIに移行する中、人間に求められる役割も大きく変化します。本章では、感性や経験に基づく人間の判断力の重要性や、倫理的責任について述べたうえで、「AIを使いこなす」「AIを鍛える」「AIと共存する」という視点から、新たな職業像や仕事の領域、価値の生み出し方を提案します。

 

第5章 ビジネス変革への道筋 ――ビジネス競争環境が変革を促す

GPTの導入は業務効率化にとどまらず、業界構造そのものを揺るがすインパクトを持ちます。本章では、技術起点で競争力を高めるための発想、破壊的変革(ディスラプション)への備え、そして5年、10年先を見据えたAI基盤構築の重要性を論じ、経営視点での意識変革の必要性について述べます。

 

第6章 デジタルエンタープライズ

GPT時代の企業像として提唱するのが「デジタルエンタープライズ」です。本章では、人間とシステムの協働による知識創造を軸に、デジタルエンタープライズが備えるべき構造、文化、データ・ナレッジ活用、ガバナンス、セキュリティといった要素を包括的に解説します。「データを知識に昇華する力」が競争力となる、未来の企業像を説きます。

 

第7章 デジタルエンタープライズへの道

理想の企業像を実現するために、何から着手すべきか。本章では、AIデータ基盤の整備、データマネジメントのアップデート、アーキテクチャ設計、推進体制(CEOのリーダーシップ)など、デジタルエンタープライズへの変革を段階的に整理し、企業の中核にAIを据えるための「実装の方法論」を提示します。

 

第8章 未来に向けて

最終章では、「すべての仕事が変わる」という前提の下、GPTが人間と企業に何を問いかけているのかを総括します。変化に抵抗するのではなく、自ら変革を起こす側に立つ――そのために必要な覚悟と戦略について、読者一人ひとりに問いかけます。

 

特別寄稿・視点(Perspective)

特別寄稿:野中郁次郎(⼀橋⼤学名誉教授)「二項動態が人間とAIの共進化を強化する」

人間とAIの関係を「対立」ではなく「動的な共存」と捉え、知識創造の観点から両者の役割を再定義。AIが形式知の集合体であるならば、人間の暗黙知と融合することで知のスパイラルが駆動する――この思想を「二項動態」として展開し、GPT時代における人間の役割を哲学的かつ実践的に問い直します。

 

Perspective:富士通株式会社 人工知能研究所 所長 園田俊浩氏「企業特化型AIの実装に向けて」

企業特化型AIの実装において、GPTはどのような機能的価値を提供するかを現場視点で解説。意思決定支援、業務効率化、知識資産の活用など、具体的なユースケースとともに、今後の活用の可能性を示します。

 

Perspective:日産自動車株式会社 デジタルトランスフォーメーション推進本部 部長 蓬澤健一氏「業務効率化のその先を目指して」

生成AIの導入から、全社的なナレッジマネジメント・AIワーカー化に向けた実装プロセスまでを解説。部門間連携、ガバナンス設計、意識改革など、多層的な実践知に基づき、製造業におけるDXとAI活用のリアルな進展を語ります。

 

付録 AI活用の具体展開と実装指針

本書の巻末には、AIを企業内で実装・展開するための具体的な手がかりとして、2つの付録が収録されています。

 

付録1:GPT活用のユースケースモデルと発展経路

このパートでは、GPTを業務に導入する際に想定される活用ステージ(初期利用〜高度活用)をモデル化し、その発展プロセスを体系的に解説しています。プロンプト支援による個人業務の生産性向上から、ナレッジマネジメントや組織意思決定への適用、さらには自律エージェントの導入に至るまで、企業が段階的に取り組むべき活用フレームを提示しています。

 

付録2:バリューチェーンにおけるAI適用のユースケース一覧

本パートでは、企業活動を構成する主要なバリューチェーン(研究開発、調達、生産、物流、販売、アフターサービス、コーポレート部門など)において、GPTをはじめとする生成AIが適用可能な業務を網羅的に整理しています。業務プロセスごとの目的、活用方法、想定成果を一覧で示しており、社内展開・現場導入における検討材料として非常に実用的です。

 

AI適用ユースケースはこちら

 

 

執筆者紹介

  • 野村 昌弘上席執行役員Partner
    Business Science Practice Leader
    流通業、製造業におけるSCM改革、業務改革、IT戦略コンサルティングを多数手がける。富士通の経営戦略室にて経営戦略策定業務に従事。主として事業戦略立案、成長戦略立案業務を担当。近年はBusiness Science Practice Leaderとして、生成AIの活用をはじめとするデータ活用型企業への変革に向けた多数のプロジェクトを推進している。
  • 高橋 敏樹Business Science Practice
    Director
    金融業、製造業、流通業を中心に、データ活用を起点とした営業戦略、マーケティング戦略、業務効率化などのコンサルティングサービスを得意領域として活動。近年では生成AIを含むAIを活用したDXプロジェクトを数多く手掛ける。外資系コンサルティング アソシエイト・パートナー、外資系スタートアップ Country Managerを経て現職。
  • 中村 一仁Business Science Practice
    Senior Manager
    ソフトウェア工学博士/技術士(情報工学部門)。富士通の共通技術部門にて、主にシステム企画から要件定義までの上流工程技術・手法の開発に従事。近年は、Ridgelinezにて、専門とするEA(Enterprise Architecture)手法を活用した、製造業を中心とする日本企業向けDX&IT企画コンサルティングを多数手がける。
  • 佐藤 文孝Business Science Practice
    Manager
    素粒子物理学の研究員、外資系コンサルファームを経て現職。業種を問わないデータ活用視点によるプロジェクトに多数従事。製造現場における数値解析による品質予測、数理最適化による計画業務の自動化、自然言語処理に代表されるAI技術活用など、技術領域を問わないデータ活用知見を有する。 近年では生成AIプロジェクトを数多く担当。

※所属・役職は掲載時点のものです。

書籍紹介

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