アイデンティティドリブン事業創造
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出版社
- 株式会社日経BP
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発売日
- 2023年3月30日
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価格
- 1,980円(税込)
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ISBN-10
- 4296200275
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ISBN-13
- 978-4296200276

デジタル化の進展によって消費者の選択肢が拡大し、何よりも生活者の「自分らしさ」が尊重される「個」が主役の時代。 一方で、デジタル時代の戦略やサービスは模倣性が高く、同質化が進みやすい事から、かつて強い個性を誇っていた日本企業の多くが、事業のデジタル化を進めれば進めるほど生活者が各社のアイデンティティを感じられなくなってしまう デジタル化のパラドクスとも呼べる状況に直面しています。
本書ではアイデンティティを軸にさまざまな企業事例を分類・解説し、これから日本企業が世界で勝ち残っていくための「アイデンティティドリブン(共鳴型)」事業創造モデルを提案。価値観・ライフスタイルに内包される顧客のアイデンティティと、提供価値や顧客体験に表出する企業のアイデンティティが相互に影響しあうデジタル時代の事業創造のあり方を解説しています。
目次
序章:イノベーションゾンビの罠
デジタルを活用した新規事業開発では、他社の事例を真似た結果、独自性が足りないために生活者に響かないケースが散見されます。それらの事業は撤退基準がなく、Ridgelinezがイノベーションゾンビと呼ぶ、塩漬け事業になることが多くあります。本書では、この問題を回避し、独自性の高い事業を生み出すアプローチとして重要なアイデンティティ共鳴型事業創造について解説します。
1章 日本企業に求められる「アイデンティティドリブン」
新たな時代のものづくり・マーケティングにおいて最も重要な経営指標の1つであると言えるLTVの最大化に成功したさまざまなビジネス事例を紹介します。それぞれのビジネスモデルの考察から、アイデンティティ経営を実現するために欠かせない基本的な考え方やフレームワークを分析します。

2章 生活者のアイデンティティを知る
新規事業を過当競争から遠ざけ、成功に導くアイデンティティ共鳴型事業の第1ステップが、顧客が大切にしている価値観・ライフスタイルの理解です。Ridgelinez独自のHuman&Values Frameworkよる、価値観の分析・洞察の方法と、持続性の高い関係性を生み出す手法について解説します。

3章 自社のアイデンティティを知る
アイデンティティ共鳴型事業を創造するうえで、企業自身の“人となり”=企業のアイデンティティを再定義することが不可欠です。国内外のいくつかの事例を用いながら、企業のアイデンティティを追求することが重要となる理由と、それにより起こる変革を紹介します。
4章 人と企業のアイデンティティを擦り合わせるためのフレームワークとプロセス
Ridgelinezの新規事業開発のフレームワークIdentity Driven Approach(IDA)紹介しながら、アイデンティティの共鳴を起こせる新規事業のプロジェクトマネジメントについて、事例を用いて解説します。フレームワークの基本的な考え方から、プロジェクトの立ち上げ、具体的な商品開発、発売後のフォローといった各段階でとるべき開発手法やアプローチを紹介します。

5章 アイデンティティドリブンを実践する組織作り
顧客との長期的な関係性を目指す共鳴型ビジネスで重要なのは、その実現に向けた組織の仕組みと文化の継続的な変革です。アイデンティティを起点とした独自性の創出手法であるIDAを実践し、企業の新たな事業創造プロセスとして定着化させ企業文化を継続的に変革していくためのアプローチを解説します。