DXを実現するためのデジタルリスクマネジメントの要諦
このレポートでは、「DXプログラムにおけるリスクマネジメントの取り組み状況」に関する調査結果の考察を通して、Ridgelinezが考えるデジタルリスクマネジメント(以下DRM)のあるべき姿を提言しています。
データやAIの活用、それによるビジネスモデルやビジネスプロセスの変革といったDXの取り組みは、いずれも既存のビジネス領域を大きく超える取り組みです。未知の領域には未知のリスクが存在し、それらが顕在化した際のインパクトは看過できるものではなく、海外では既に大きな損失やサービスの撤退を余儀なくされる企業も出てきています。一方で、従来型のリスクマネジメントのように完全予防型を志向すると、DX推進の妨げになる可能性もあります。DX推進においては、適切なリスク評価とリスク許容の考え方を組み合わせ、取り入れ、CDO(Chief Digital Officer)の総合的な見地に立った判断を仰ぐ仕組みが必要となります。
Ridgelinezでは、今後DXプログラムを推進する企業がDRMによりDXの信頼性をどのように確保していくべきかを探り、提言するため、「DXプログラムにおけるリスクマネジメントの取り組み状況」に関する調査を実施しました。
今回の調査結果から、約4割の企業がDRMを後回しにするとDXが停滞しかねない」と認識しており、今後DRMの体制構築は必須と考えていることがうかがえます。DXが浸透することにより、テクノロジーリスクとビジネスリスクが混在し、対応すべきリスクは多岐にわたります。今後DXをさらに推進するためには、全社的かつ横断的なDRMを整備し、DXの信頼性を確保することが肝要です。
目次
- 企業を取り巻くリスク環境とDXプログラムの関係
- DX企業が目指すべきDRMとその現状
- DRMの実現を妨げる課題
- DXを成功に導くリスクマネジメントの構築に向けて
ホワイトペーパー
アンケート結果
執筆者
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藤本 健Principal
Risk Management富士通入社後、コーポレート部門を経てコンサルティング部門に異動。その後約15年にわたり、電力・ガス、製造業、金融機関など幅広い業種向けにサイバーセキュリティや事業継続・内部統制、ITガバナンスなどのリスクマネジメントのコンサルティングを手がける。電力システム改革時のIT変革コンサルティングにも従事。富士通総研を経て現職。
※所属・役職は掲載時点のものです