エンジニアリングチェーン改革を加速するデータ体系整備(BoX)
このレポートでは、Ridgelinez が独自に実施した「エンジニアリングチェーンに関する調査」の結果を通して、日本の製造業が取り組むべきエンジニアリングチェーン改革の有効かつ現実的な具体的アプローチについて考察しています。
昨今のデジタル化の波はますます日本社会に広がり、製造業でもその波を大きく受けています。デジタル化潮流への対応には、従来からのシステム導入による業務の効率化にとどまらず、デジタルツインやスマートファクトリーをはじめ、サプライチェーンにおけるデジタル化の取り組みが欠かせず、デジタルトランスフォーメーション(DX)は各社の喫緊のテーマとなっています。
しかし、製造業の根幹でもあるエンジニアリングチェーンの領域に注目すると、3DCADやPLM等のシステムやツールの導入などの活動は進んできたものの、デジタルを活用してビジネスモデルやビジネスプロセスを変革するような取り組みまでには至っていないのが現状と言えます。
エンジニアリングチェーンは、製造業にとっての生命線であり、そのデジタル改革には、設計~製造~品質~マーケットの各プロセスが連動して最適化されることが必要です。また、各プロセスを結合するデータの核となるのが、BOM(部品表)/BOP(工程表)をはじめとした、データ体系の整備とそれを支えるプロセス変革となります。
とはいえ、複雑に絡む関係部門や影響範囲は広大で、エンジニアリングチェーンの改革を一挙に進めることは難しいのが実態です。これを着実に進めていくためには、プロセスとデータ連携の改革を両軸で進めていくこと、特にデータ連携については「BoX」と呼ばれるデータ体系の整備が欠かせません。また、専任組織による計画的な活動牽引、外部スキルの活用、トップのコミットメントも重要要素となります。
本稿では、日本の製造業が取り組んでいくべきエンジニアリングチェーン改革について、具体的にどのようなアプローチで進めることが有効、かつ現実的であるかについて、事例を含めて考察しています。
目次
- 市場での生き残りをかけたエンジニアリングチェーン強化の必要性
- エンジニアリングチェーン強化に向けたデータ体系整備の必要性と進め方
- データ整備によるプロセス変革事例・創出効果
- データ体系整備(BoX)のアプローチ
- Why Ridgelinez
- データの出所について
ホワイトペーパー
執筆者
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瀧澤 健Principal
Operational Excellence Practice Leader富士通グループのビジネスプロセス改革責任者として、製品設計から製造SCMにまたがるオペレーション改革、IOT/AI/ロボティクスを駆使したスマートファクトリー構築を約20年にわたり牽引。豊富な実践経験と先端テクノロジーに裏打ちされたDX変革をご提案します。
※所属・役職は掲載時点のものです