多様な知見をまとめ、現実的な解を提供
私はオペレーショナル・エクセレンス(OX)という部署に所属しています。主に製造業向けのエンジニアリングチェーン、サプライチェーンといった領域を改革していくことがミッションです。戦略的な部分はハイテク&マニュファクチュアリング(HTM)という部署が担っており、基本的にはそこと連携しながら進めていきます。HTMがお客様の課題を認識し、その中に製造領域、設計開発領域に関わるものがあれば、専門的な知見をもつ人たちが入っていく。Ridgelinezとして、そうした一貫した流れを作っていこうとしています。
OXという部署には、もともと富士通で設計開発を担当していた人、物作り領域の事業会社で設計開発や生産管理を担っていた人、製造系のSE、そして私のようなコンサルタントといった人間が集まっています。ですからコンサルティングをやってきた人だけではなく、自ら現場の業務に携わってきた人もいるわけです。そのノウハウや知見をお客様のために役立てていくのが、私たちの役割になります。
従来の一般的なコンサルティング会社では、戦略や構想といった理想形を描くのですが、それをどう実現するかという部分が弱いため、単純にシステムの導入で終わってしまうケースも多々ありました。Ridgelinezには現場での経験がある人もいますから、具体的にどこをどう改革・改善していけばいいかということも含めて、お客様の問題・課題の解決に貢献できます。多様な人材の知見をひとつにして、きちんと結果を出せる現実的な解を提供できるというのが、従来とは異なるところだと思います。
設計開発と生産管理を繋ぎ、インパクトを生む
現在私たちは、OXにいるエンジニアリングチェーンやサプライチェーンの専門家がもつノウハウを整理し、きちんとした形で価値提供できるようにする作業をしています。部署内でいろいろ議論していくと、多くの日本企業ではエンジニアリングチェーンとサプライチェーンを結ぶところがうまく機能していないということがわかってきました。そこをどう結んでいくのか、今後詰めていかなければならないところです。
例えば、開発段階で“作りやすい”製品を設計するためには、生産側としっかり連携していかなければなりません。あるいは設計開発段階で目標原価を設定し、それを実現するために設計を変え、購買との連携で値段を精査していくといったことです。つまり本当はエンジニアリングチェーンとサプライチェーンの橋渡しが重要なのに、そこがなかなかうまくできていない。ではどうするべきか、我々がどうお客様の役に立てるかを、今まさに考えています。
この点は各企業も気づいているのかもしれませんが、誰がハンドリングすべきなのかがわからないのだと思います。設計開発と生産、それぞれの中で“閉じた”改革はあると思いますが、そこの橋渡しをするような改革については、担当する部署がないために抜け落ちてしまいます。コンサルティングとして客観的に見た場合、そうした領域はまだまだ改革の余地があると思います。
一般的に設計開発段階で製品コストの9割くらいが決まると言われています。つまり、量産段階での原価低減には限界があります。お客様の業績を上げようと思ったら、設計開発段階で目標とする売価、利益率から目標原価を定めて、その目標原価を達成していくような活動が必要です。そうすることで製品自体の収益性も確保でき、会社全体の収益性向上にも繋がります。非常に高い収益性を確保できている企業は、実はそういうことがしっかりできています。その一方、あまりうまくできていない企業が多くあるのも事実です。したがって、そういった企業に対し私たちがしっかり手当てできれば、世の中にかなりのインパクトが出せるのではないかと思っています。
また、今後私が取り組むべき課題として、お客様の会社で働く人たちが、より活躍できる組織・環境を作っていくということも挙げられます。会計上は表れませんが、知識やノウハウをもっているのは人間であり、それが会社の競争力の源泉です。会社を良くしていくためには、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンなどの構造的な問題とともに、人材マネジメントの部分も改革していく必要があると考えています。
信頼の上に成り立つ、オープンな組織
Ridgelinezは、自分がお客様に貢献できる領域や、もっと深掘りしたい領域を自ら定めてビジネス化していくことができます。働かされているという感覚はなく、本人の意志さえあれば何でも実現できるし、突き詰めていける。そうしたところがやり甲斐にも繋がってきます。もちろんそのためには日々勉強して、自分なりに考えを深めていく必要があります。
これからはリモートワークが中心になりますが、今のところ、信頼関係のベースの上でしっかりやり取りできているように感じます。一方で議論のプロセスが見えなくなり、結果だけで判断されてしまうという心配もあるので、そのあたりをどうするかは、今後考えていく必要があるかもしれません。
私の部署も、お互い4月に初めて顔を合わせたという人がほとんどでした。実際に面と向かって話す機会もほとんどなく、ウェブ会議で情報共有や議論をしながら、相互の理解を深めています。実際に会って話せば、やはりそれなりの情報量はあると思います。ただそれがなくても、軸になる話題があればお互いに議論できます。例えば「日本の製造業が抱える問題・課題をどうしていくか」というようなテーマを話題の中心に据えれば、それぞれの知見や考え方、今までやってきた仕事の話などを出しあって、関係性を深めていけると思います。
これからこの会社に来ていただきたいと私が思う人は、おかしいと思うことや、変だなと思うことを素直に感じ取れる感覚のある方。そしてそれを周りの空気に流されず、きちんと言える強さをもった方です。それができて初めて、コンサルタントとしてもお客様に向き合えるのではないかと思います。そして、そういう人がRidgelinezに増えることで、より良い会社、組織になっていくと思います。Ridgelinezは新しい会社ですし、いろいろな背景をもつ人が集まり、かなりオープンな組織という印象です。そういう意味では、声を挙げたり、行動したりしやすい環境といえるのではないでしょうか。
Satoshi S.Competency Group
主に製造業におけるコンサルティングに従事。特に経営管理/管理会計(原価企画・原価管理)に専門性を有し、ERP導入を含む大規模なシステム構築プロジェクトについても多数参画。Ridgelinezでは、利益を生み出すためのエンジニアリングチェーン、サプライチェーンの改革に取り組む。
主に製造業におけるコンサルティングに従事。特に経営管理/管理会計(原価企画・原価管理)に専門性を有し、ERP導入を含む大規模なシステム構築プロジェクトについても多数参画。Ridgelinezでは、利益を生み出すためのエンジニアリングチェーン、サプライチェーンの改革に取り組む。
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